今回はちどりあしプロデュース公演「アトランティックホテル騒動記」にご来館・ご予約いただきまして、誠にありがとうございました。従業員一同、心より御礼申し上げます。
「楽しい仲間で楽しく芝居がしたい。」
これが今回の「アトランティックホテル騒動記」の一貫したコンセプトでした。私自身のホテル勤務の経験を生かして、三谷幸喜やレイ・クーニーのようなドタバタコメディーをイメージして構想・制作し始めたのが昨年12月、まさにクリスマスの時期でした。
我々は芝居で生計を立てているプロではありません。しかも今回はほぼ客演であるという事で、演技力や技術力の向上を目的とはしていませんでした。
しかし、ご来館いただいたお客様にお金を払って観ていただくのです。粗末なものはお見せできません。
今回は、とにかく関係者や観客の皆さん全てが楽しく、幸せな気持ちになれるような芝居を志し、「全員が演出家」という特殊な体制で稽古を進めてきました。もちろん、ご覧になるお客様にとって、製作期間の状況や過程などは問題ではなく、幕が開いた瞬間から幕が下りた瞬間までが全てです。その短い中で、我々の今できる最高の舞台を伝えなければなりません。
舞台屋の癖の一つに「本番前のピリピリ感」というものがあります。とても重要な癖の一つです。しかし、とてもマイナスな感情でもあります。これを引きずると、確実にお客様にもその感情は届きます。本番前日、私は今回の関係者全員に自分の気持ちを伝えました。
「楽しい仲間で、楽しく芝居をしよう。」「みんなの、みんなによる、みんなのための舞台」の幕を開けよう。お客様を楽しませよう。
この気持ちを伝えた瞬間から、私は「主宰」となりました。今回、メンバーを招集してからそれまで、一度も使った事のない言葉です。
初会の幕が下りる瞬間まで、不安が付きまといました。脚本は受け入れられるのだろうか、この楽しさは伝わっているのか、お客様自身楽しんでくれているのか・・・しかし、カーテンコールの「それではチェックアウトのお時間です。お忘れ物ございませんよう、本日はご来館、誠に・・・ありがとうございました!」と言い終わった瞬間、不安は一気に無くなりました。
関係者含め、「アトランティックホテル内」にいる全員が、楽しんでくれていることが分かったのです。
最後のダンスの時、役者やオペ担当の笑顔を見て泣きそうになりました。「彼らは心から楽しんでくれている。」
初めて劇場で生のお芝居を観てくださった方が「演劇がこんなに面白いものだとは思わなかった」と仰ってくださった事、ベテランの演出家の方にご尤もな意見を頂戴した事、その後「でも結果楽しかった」とも言っていただいた事、招待券をお渡しした協力者の方が、もう一度お金を払って「完全な観客」としてご来館いただいた事、噂を聞きつけて急きょご来館いただいた方がいた事、もう一度観たくて2回も観ていただいた方がいた事・・・・・全てが私と、アトランティック・ホテル従業員のこれ以上ない宝物です。
今回ご来館いただいた皆様をはじめ、都合でお越しいただけなかった皆様、興味をもっていただいた皆様に心から御礼申し上げます。
今まさに、「心からの幸せ」を感じています。
私にとって、皆様が「大人にも来るサンタクロース」であり、人生で一番素晴らしい贈り物を届けてくれたのです。
「アトランティックホテル騒動記」の世界は、私の心の中で今でも普通に営業しています。そして、今回私の親友となった“雁尾ユダ君”だけでなく、アトランティック・ホテルの従業員はいつでも私の為に、スウィートルームを空けて待っていてくれるのです・・・
世の中の全ての人よ・・・メリー・クリスマス!
「アトランティックホテル騒動記」主宰 大石 まこと







